地域住民の視点を用いた
回遊ルートデザインによる
まちの魅力増進・発信事業
岩手県盛岡市鉈屋町界隈をモデルとして、地域住民等の視点を用いた回遊ルートの提案を通じたまちの文化や日常の魅力を伝える取組です。
多数の盛岡町家と歴史的な街並みを有する鉈屋町界隈は、豊富な地域資源の中に人々の暮らしがいきづく地域です。まちの有形・無形の価値と魅力を、まちの暮らしや良さとともに可視化し発信すること、そして、地域資源の回遊性を高めることで、もりおかの魅力・価値の向上と発信力の向上の一助となることを目指します。
※ 令和5年度、令和6年度盛岡市市民協働推進事業補助金を活用して実施いたします。
コンテンツ一覧
岩手県盛岡市鉈屋町界隈まちの紹介
岩手県盛岡市鉈屋町(なたやちょう)界隈は、江戸から明治期に北上川舟運の起点・街道が交わる城下玄関口として栄え、現在も街道沿いには旧商家の盛岡町家が多数存在し、舟運時代の土蔵や寺院群の自然風土が育む緑と清水(共同井戸)など城下町の歴史風情溢れる街並みの中に、人々の暮らしが息づいています。暮らしの場としても旅で訪れる場としても魅力的な、このまちに流れる時間と風景をほんの一部ご紹介します。「まちの音風景」や写真ギャラリー、地域の人々のインタビューでご紹介します。
盛岡市鉈屋町界隈まちの音風景
このまちでだけしか聞くことのできない音があります。まちの日常に流れる環境音を聞くと、まちの風景が浮かびあがり、風土や暮らしや文化を感じることができます。共同井戸のせせらぎや、寺筋に響く鳥のさえずりなどの<自然の音>、盛岡町家の吹抜け造りの天井屋根を打つ雨音や、まちに響く子ども達が遊ぶ声などの<暮らしの音>、お盆の迎え火が燃える音や、秋祭りの太鼓などの<伝統行事や祭りの音>など。まちに暮らす人々が、日常で触れている音風景を体験してみてください。
※もりおかワカものプロジェクトYouTubeチャネル(もわっぷチャンネル)に移動します。
音声コンテンツ制作協力 : もりおかワカものプロジェクト
ギャラリー
盛岡市鉈屋町界隈まちの1日を過ごす(イメージ)
盛岡市鉈屋町界隈まちの1年の風景
寺院群などの豊かな自然と季節の歳時記が、まちに彩りと健やかな暮らしのリズムを生み出しています。
4月の旧暦の雛祭り、6-9月あさ顔プロジェクト、8月舟っこ流しとお盆迎え火送り火黒川さんさの門付け、9月盛岡八幡宮例大祭など。
まちの暮らしと文化の歴史を継承する街並み建築
鉈屋町界隈は盛岡市大慈寺地区景観地区となっていて、歴史文化や暮らしの智恵を現代に伝える建築物を多数有しています。
岩手県指定文化財、盛岡市指定文化財、盛岡市景観重要建造物の他に、「盛岡市都市景観賞」を受賞した建物は8件(2023年時点)もあります。
まちの歴史や暮らし文化を踏襲しながらも時代毎の表現でランドマークが更新され、このまちらしい街並みが継承されています。

〇まちの案内人さん
★自己紹介とこのまちの魅力を教えてください。
2024年に創業100年になる呉服屋に生まれ、大慈寺小学校の出身です。鉈屋町・神子田町・南大通3丁目にも住んで「大慈寺小学校」の周辺をぐるりと暮らしている感じです。60歳の時に新しい事を始める良い機会だと思い「ガイド」を始めました。盛岡のために何かできればと思い盛岡弁で物語を話す活動もしています。
このまちは、寺街であること、舟運のまち、街道筋、ずっと造り酒屋があったのは美味しい水があるということと、岩手県出身の4人の総理大臣の内のお二人の墓所があるということもポイントだと思います。
お寺が9つもあります。「千手院」の四季桜、「祇陀寺」さんには龍のうろこと玉、「永泉寺」には幽霊の絵など、それぞれの寺にはお宝があり、それを取材するだけでも面白いのではないかと思っています。それから、盛岡三清水の内の二つがここにある事がすごく自慢です。川や山と同じようになくてはならない風景です。だから掃除をしてきれいにしてくれている人がいて、守ってくれている人の事をいつも伝えています。
そして、昔から変わらないのは、鉈屋町の通り。道路拡張とか変化がないのは良いですよね。道路を挟んで向こう側とこちら側もそんなに離れていないですからね。昔はバスが通っていて、この狭い通りに大きなバスがよく通ったもんだな、なんて思います。
★この町のお気に入りを教えてください。
どこも好きですが、「大慈寺小学校」の校庭から眺める景色が好きです。広いゆったりした感じが良く、子どもの頃楽しく遊んでいた空気感と風景を思い出し懐かしさで涙が出そうになりますね。「大慈寺小学校」は原敬が亡くなって10年後くらいに地域からの声で建てられた学校です。
あとは、「大慈寺」の山門、そこから「川鉄」の方に行く塀の所も好きですね。「千手院」の辺りは夏はおばあさんがところてんを売っていたんですよ。
この界隈は路地がいっぱいあって、「川鉄」の辺りや、「三面地蔵」のところとか、“こちゃこちゃした感じ”がなんとも言えず好きですね。
それから、最近よく案内するのは、通りにちょうど岩手山が見えるところがある。「斉坂鍛冶店」から「北田荒物店」あたりからパット見える岩手山が実に良いですね。そして、木津屋さんの佇まいも見事だと思います。
★このまちの魅力を楽しむヒントを教えてください。
まちのポイントを網羅して初めて来るお客さんに案内する定番コースでいうと、最近案内したのは、
[あさ開(ホームスパの工房ができたでしょ) → 永泉寺 → 大慈寺 → 青龍水(青龍伝説をしゃべる)→ 祇陀寺(H30年にできたぽっくり地蔵さんはお賽銭入れるとちゃらら~んと澄んだ良い音がするからやってみてください。)→「かわ広」(天むすがおいしいです、そしてうな丼も美味しいです。)→ シダレカツラ → 木津屋 → 惣門のところ(城内に入る所で大事な場所ですね。)→「円光寺」(「お蓮さんの首塚伝説」の話をします。)→ 通りに戻ってきて「大慈清水御休み処」に入って → 大慈清水 → 通りで後ろを振り返って岩手山を見て → もりおか町家物語館 → 消防番屋と三き亭 ] という感じです。
スタート地点はどこからでも良いです。「あさ開」でも「大慈清水御休み処」でも良いですよ。
四季折々の行事も紹介します。「雛祭りの催し物とか、お盆に8月14日は通りに黒川さんさがきて踊るからみんな見てごらに。季節で行事が色々あるから。」と案内しています。ガイドで目指しているのは、盛岡が好きという愛情とともに歴史や知識に加えてそれだけではなく、今のニュースも織り交ぜながらお話しをすることです。

〇藍染職人さん
★自己紹介とこのまちの魅力を教えてください。
ペットショップだった場所で2017年から藍染の工房とギャラリーをやっています。
歴史が匂いや風になりマイナスイオンが出ている感じで、静かでものづくりに総合的に適している環境のまちですね。まず暮らしありきで、昔は色んな地域にあったであろう懐かしいさが残っていて好きです。川沿いで港町だったこのまちは、地域の暮らしがありながら外から色んな人もやってくる。自分の地元である沿岸地域と生活パターンが似ているから好きというのもあるのかもしれません。
このまちは、日常の中でおじちゃんおばちゃん達が通りに出て暮らしの場を整備している姿をよく見かけます。現代では家々が区切られた中で暮らしが完結してプライバシーが保たれていて良い面もありますが、一方でどこか閉鎖的で寂しさを感じる部分もありますが、そうではなく、言葉だけではないコミュニケーションがあるものだと思います。この地域はお互いが見えて近いからこそ、人の気遣いやバランスをとる距離感が残っていると感じます。四季折々に感じられる要素、季節のイベント事もあり、人間の暮らしに必要な広さや高さが自然と保たれ尊重されている地域だと思います。
工房の目の前は小学校で、広々とした道路、空は高く、大きい木も沢山あって、子ども達がわちゃわちゃしてる。自分のやりたい事を中心に、というよりは、こういう良い場所のその中の一員になるというのが自然で、自分もこのまちの一日にいさせてもらっています。だから、初めから感謝の気持ちで暮らしています。
「青龍水」や「大慈清水」の井戸を掃除している地域の人達がいる事を地域の勉強会のイベント(街並み修景観フォーラム2019)で知って、自分も「青龍水」の掃除に参加させてもらうようになりました。ちょうど自分の藍染に青龍水を使い始めた頃です。井戸掃除は夏でも冬でも疲れていても、必ず清々しい気持ちになるので得した気持ちです。
★このまちのお気に入りを教えてください。
「青龍水」のベンチ、京都みたいな空気感が漂う「大慈寺」、裏玄関が見えたり歴史を感じる地形が残る裏通りも好きです。「細重酒店」はご近所にある昔ながらのお買い物ができる店で、仕事終わりに“お疲れビール”を買いに行きます。「今日は暑いね。」とか、お女将さんとの軽い会話も良いですよね。
★このまちの魅力を楽しむヒントを教えてください。
噛めば噛むほど味わい深い、“人”が面白い地域ですね。実際に歩いて地域の人々と出会って会話をしてみると、このまちをずっと楽しめると思います。

〇「舟っこ流し」の鉈屋町の舟棟梁さん
★自己紹介をお願いします。
生まれは鉈屋町で、近隣地域で暮らしていた時期もありますが、実家を建て替えてからまた鉈屋町に住むようになり40年以上たちます。
2010年頃から鉈屋町の「舟っこ流し」の棟梁として舟を造っています。鉈屋町で舟を造っているのも知らなくててですね、町内活動も妻とは違って自分はほとんど参加してきませんでしたが、前の棟梁と家が近所という事から手伝いの声がかかって引き込まれた感じです。
★「舟っこ流し」の舟づくりで大切にしていることを教えてください。
舟造りは、二度と同じものはできないので常にもっと良いものをと“今年はこうしよう、来年はこうしよう”と試行錯誤して作っています。まだまだ現在進行形です。「後を継ぐ人、誰かいますか」って聞いたら誰もいなかくて、続けるのはあと5年位かなと決めていたのですが、新しく住み始めた町内の人に舟の模型を見せたら後継者をやりたいっていう人が出てきたから、弟子として育てているところです。舟っこ造りで大切にしている事は、見えない所もちゃんと作る事。弟子にも一度手抜きをすると違うところも手抜きするようになるから絶対に手を抜くなよ、と伝えています。きちっとやるとそれだけ感動もありますよね。
★「舟っこ流し」への思いを教えてください。
「舟っこ流し」は有名なようで有名ではないような印象もありますが、盛岡市の無形民俗文化財に指定されていて、地域の大事な先祖供養行事だと思っています。人だって供養する時に立派な棺桶に入れてちゃんと化粧して送ってあげますよね。“舟っこ”には供養のお札が貼ってあり、一軒一軒想いがあります。だから適当には造れないんです。鉈屋町の舟っこ流しではペットの供養もやっているんですよ。お札は一生懸命手書きしています。上手下手はあるけど温かみがあるじゃないですか。きちっとやるとそれだけ感動があると思うんです。「舟っこ流し」当日に見に来てくれる娘が「鉈屋町の舟に火が付いた時に歓声と拍手が上がったよ。」って話してくれて。そういうためにもやっているんです。
夫婦で「舟っこ流し」に関わるようになってから、お盆前から準備があるため、家族や孫と普通のお盆を過ごす時間がなくなってしまいましたが、それでも、子どもらは来て「舟っこ」を見ていく。「ほら、これ、じぃじが造った舟だよ」って娘が孫に自慢してくれるんです。まだやる気になるというか、自慢してもらって良いと思うんですよね。でもやっぱり大変ではありますけどね。

〇理容店の店主さん
★自己紹介とこのまちの魅力を教えてください。
2023年に創業103年になる理容室の3代目です。会社勤めをしている時に理容室の長男と出合って店を継ぐ事になりました。家業が途絶えてはならないと思い、理容学校に通いそこを終えてから結婚しました。嫁いだ時に夫のおじいちゃんに言われた「お客様との信頼が大事だ」という言葉を大切にこの仕事を続けています。
今は、常連さんのご近所さんに加えて、遠くからわざわざ車でいらっしゃるお客様もいます。
この界隈は落ち着いた町で、お隣同士のコミュニケーションがとれるところが良いところですね。人とつながりやすく、日常で顔を合わせれば挨拶を交わしたり。地域は昔に比べると店は少なくなったと思いますし、新しく住む方たちの普通の住宅も多くなってきていますが、新しい人たちともお付き合いがあり、お店にも来てくれます。子育てもこの町でして、お祭りには父子で参加して、夫は舟っこ流しの舟づくりも、水の中に入って流し手もしていました。子どもの引率で親も祭りなどに関わる事ができて良かったと思います。
★この町のお気に入りを教えてください。
まちのお勧めは、「大慈寺」の参道、井戸が二つ、「もりおか町家物語館」、「御蔵」が好きです。井戸はいつもお掃除している人たちがいるので、“お疲れさま”という感じで自慢です。「御蔵」は、米蔵だった所が見学できて歴史がわかるし、雛祭りの時期は“雛人形の館”になるのでお勧めで理容組合の人たちを案内したこともあります。地域の方たちがお掃除したり保存に一生懸命なので、そういうところも良いです。
★このまちの魅力を楽しむヒントを教えてください。
スーパーも学校も近いし、歩いていける距離に病院もありますし。「中ノ橋」や菜園の「川徳百貨店」の辺りまで歩いて行きます。
帰りは「でんでんむし」のバスに乗ってバスセンターまで行き、そこから降りて徒歩で10分位です。
市内で街の開発が進みますが、昭和を感じるこういう町があっても良いのかもしれないと思います。

〇ゲストハウスの場主さん
★自己紹介とこのまちの魅力を教えてください。
2019年から、蔵だった建物を活用して「ととと -盛岡の泊まれるたまり場-」という宿をしています。
地域の皆さんはびっくりするほどウェルカムで、お隣さんをはじめご近所の皆さんがよく声をかけてくれますし、「朝顔プロジェクト」は近所の会話のきっかけにもなっています。鉈屋町のこの場所で自分の宿をやれているのはすごくラッキーですね。
このまちの魅力はやはり古い街並みですね。宿のゲストの皆さんにも「この辺は急に雰囲気が変わりますね。町家やお寺、井戸があっていいですね」と言われます。盛岡についてよく知らないで来る方が多いので、予想外の出会いになるみたいです。町家やお寺のある街並みは落ち着きますし、安心感があります。お水が美味しいのもいいですよね。
★この町のお気に入りを教えてください。
木を見て歩くのが好きなので、この辺りはお寺が多くて、円光寺の夫婦カツラをはじめ、大慈寺や永泉寺にも大きな木があってとても良いです。
朝は「神子田朝市」の『ひっつみ』が好評。夜は「細重酒店」で地元の方と一緒にお酒を飲みながらの語り合いを楽しむ方も多いです。「羅漢(あかん)公園」も良いですよ。石像に囲まれた空間は不思議ですし、珍しい栗割桜もあります。
★このまちの魅力を楽しむヒントを教えてください。
月曜日はゲストの皆さんと“朝散歩”をよくしています。最近好評なのが [ 青龍水、大慈寺、永泉寺、らかん公園、盛岡八幡宮、参道を通って盛岡バスセンターにある福田パン中ノ橋店へ。コンビニで飲み物を買って、ふかくさ前の中津川の河原 ] に行くコースです。河原ののどかな風景を眺めながら、まったりと語り合います。
もともとは月曜日は「神子田朝市」が休みなので車で福田パン本店へ行っていたのですが、コロナ禍になり複数での車移動も避けた方がいい状況になり、それなら歩いて行けるとこにろに行こうと思い、周辺のお店で朝食を食べたり、買ったりして、その行き帰りの朝散歩を楽しむようになりました。しょっちゅう同じところを歩くと季節による風景の変化を感じられます。
盛岡の町はぶらぶら歩くと楽しいですよ。盛岡は誰でも知ってるような観光地はありませんが、街歩きが好きな人なら三日でも四日でも楽しめますよ。
岩手県盛岡市鉈屋町界隈
回遊ルートをデザインする
盛岡市鉈屋町界隈の「まちの文化と歴史や日常の魅力」に出会う散策モデルルートをまちに暮らす方々へのインタビュー、「令和5年度盛岡市立大慈寺小学校5年生」の皆さんや地域で活動する学生と社会人チーム「もりおかワカものプロジェクト」の皆さんと協力してグループワークなどから作成しました。5つのモデルルートをご紹介します。
制作風景/情報リサーチ、デザイン検討会
まちの散策モデルルート
パンフレット「盛岡市鉈屋町界隈魅力ガイド&散策モデルルート」の掲載内容から紹介します。
基本ルート3つ、応用ルート2つ、合計5つのモデルルートです。

<楽しく散策するためのヒント>
・神社仏閣などの入門は8時~17時を目安にしましょう。
・建物外観見学が基本となり内部は非公開となる事業所などのスポットも含まれていますので、街並み散策を基本に楽しみましょう。
(駒木葬祭、木津屋、大慈寺小学校、昭和旭蔵、消防新番屋など)
・まちは生活空間ですので、散策の際はマナーを大切にして誰もが気持ちの良い散策を楽しみましょう。
・施設・店舗の営業時間や定休日は変動する場合がありますので事前に確認をして散策しましょう。

基本の3ルート:まちの魅力のルーツとなる歴史や地域資源に触れる

★寺院群の自然と二つの清水「平成の名水百選」を巡る
~四季折々の彩りと清々しい空気に包まれ心洗われルート~















まずは初級編として、まちのシンボルである「寺院群と清水」をテーマに巡ってみてはいかがでしょうか。このまちには2人の歴代首相の菩提寺があります。第19代 内閣総理大臣の原敬のお墓がある「大慈寺」、第37代 内閣総理大臣の米内光政のお墓がある「円光寺」をはじめ9つものお寺があり、四季折々の豊かな自然に出会うことが出来ます。そして、環境省の「平成の名水百選」に選定された2つの井戸の「大慈清水」と「青龍水」があります。するすると緑と水を辿り歩いくと清らかな気持ちを味わえるかもしれません。 大慈清水の伏流水で造られた日本酒の酒蔵「あさ開 地酒物産館」や「羅漢公園」、盛岡町家「大慈清水御休み処」に途中立ち寄り休憩するのもお勧めです。
主要エリアの北側を、大体40分程間(施設見学時間は含まず)で約2.2㎞の距離をするりと一周するイメージです。
★舟運拠点の北上川筋と盛岡町家の街並み残る街道筋を巡る
~歴史情緒と暮らしの香りにほっと心が温まルート~




















そして中級編としておススメなのは、「街道筋と北上川筋の盛岡町家が残る歴史まち並み」をテーマに散策はいかがでしょうか。城下の入り口だった惣門跡の碑、商家だった盛岡町家が並ぶ街道筋をたどって、北上川舟運の歴史を伝える文化財の「御蔵 下町史料館」(4~10月土日曜日は内部見学もできます)、北上川をながめ、「もりか町家物語館」の近くからは岩手山が見えるスポットもあります。盛岡町家には現在も住人の皆さんが暮らしています。歴史風情と暮らしの香り漂う街並み空間を歩けば暖かい気持ちになるのではないでしょうか。道すがら老舗和菓子店やケーキとカフェの店や、珈琲豆屋さんなどもありますので探してみてくださいね。
主要エリアの南側を40分程で約2.2㎞の距離をゆるりと一周するイメージです。色々立ち寄るとあっという間に数時間経ってしまうのでゆとりをもってお出かけください。
★界隈の歴史と暮らし文化のルーツを紐解く史跡や名建築を巡る
~懐かしくも新しい時間の流れに誘われ心癒されルート~























上級編には、「歴史建造物や史跡巡り」をテーマにエリアの北側と南側とも全て回るルートです。江戸時代の土蔵造り「木津屋」さんは大火の際に備えた防火設備を有する貴重な建物として岩手県指定文化財となっています。平民宰相原敬の葬儀を取仕切った歴史をもつ「駒木葬祭」さんの社屋は、町家造りに変身し盛岡市都市景観宗を受賞しています。住民の方々の熱い要望で建てられた「盛岡市立大慈寺小学校」の校舎、1871年創業「あさ開酒蔵」さんの昭和63年に完成した純和風の仕込蔵「昭和旭蔵」、1888年創業「松田家菓子舗」さんの町家造りの店舗、大慈寺地区コミュニティ消防センターの新番屋、酒屋の蔵を改修したゲストハウスなども盛岡市都市景観賞を受賞しています。このまちの歴史と暮らし文化を伝えるシンボルとなる江戸時代の蔵や明治期の町家などの点在する名建築や史跡を辿ると、更新しながら継承されていくこのまちらしい歴史的街並み空間に出会うことが出来ます。懐かしさの中に新しさが同居する時間と空間と空気感に心の癒しをお楽しみください。
移動距離は約3.6㎞で移動時間は約60分ですが、見学時間は含みませんのでしっかり見学&体験&買い物などする場合は2時間半~3時間程時間を要する可能性があります。じっくり1日かけて巡るも良し、小分けに複数回まちに通うスタイルもまたお勧めです。
応用2ルート:お食事&買い物、地域人との会話などまちとの交流時間を楽しむ
★1日ずったりまちを満喫&満腹メニュー (組み合わせ例)
~朝から夕方までまちに流れる時間に五感が満たされルート~

鉈屋町界隈の朝は早い、そして夜も早い。また新しい一日を迎えるために。まちの文化と歴史を紡ぐ人々の健やかな暮らしのリズムがここにはあります。
朝から夕方までエリア内でお茶や食事も挟みながら散策して、まちを一日ずったり楽しむ場合の参考イメージです。いくつか立ち寄れるスポット案を並べてみました。
暮らしの場であるまちの時間のリズムに合わせて散策の始まりと終わりの目安がわかると、まちの魅力をより深く味わえるのではないでしょうか。
★迎えてくれる人がいる「まちの入り口的スポット」を巡る
~心のよりどころに通いたくなる・帰りたくなルート~
