「雲を紡ぐ」でつながろうプロジェクト
@盛岡鉈屋町


直木賞候補となった伊吹有喜著作小説「雲を紡ぐ」は、“光を染め風を織り時を超える布”ホームスパンをめぐる親子三代の心の糸の物語です。
岩手県盛岡市の伝統工芸ホームスパンの職人である祖父“紘治郎”との関り合いを通じて、心の扉を開いていく高校生の孫“美緒”とその家族の心模様が繊細に描かれ、色彩豊に綴られる盛岡の風景の描写が映像的で美しい本作は、物語の世界に自分自身がいるような感覚とともに、盛岡というまちに対する親しみや、まちで生まれる出会いや流れる時間、その時間の中でいきる家族と自分自身の存在の尊さを想うきっかけを与えてくれます。
小説においてメイン舞台の一つとなっているホームスパンショウルームのモデルとなったのが、盛岡市鉈屋町にある盛岡町家「大慈清水御休み処」です。盛岡市鉈屋町界隈は幾代にも渡り住み継がれる盛岡町家や住人により守り使われ続ける共同井戸、寺院群の四季折々の色鮮やかな自然などの歴史的なまち並みが残り、義理人情味あふれる人々の、丁寧で活き活きとした日常の暮らしが息づき、地域への愛着と誇りに満ちた硬派でかつおおらかな時間が流れる“盛岡らしさ”溢れる地域です。
盛岡市が舞台となっている「雲を紡ぐ」映像化に向けて、小説の魅力とその舞台となる鉈屋町の魅力を発信していきます。盛岡を紡ぐ一人ひとりが、自分のまちを知るきっかけとなり、まちとつながり、愛着や誇りが芽生える、そんなプロジェクトを目指します。